主任教授の挨拶
私が矯正歯科を目指したのは、近親者が本学歯科病院で矯正歯科治療を受け、その結果に感銘を受けたからです。そして、「患者さんに寄り添える利他的な医療人になりたい」という信念がありました。そのような事から、昭和大学の精神である至誠一貫にとても共感し、その思いを実践したいと考えてきました。安心・安全な医療を実践する為には、適切な検査、診断、治療計画の立案と確かな技術のみならず、インフォームドコンセントが重要です。納得いくまで説明した上で、治療を進めたいと考えています。これからも皆様に信頼していただける医療を提供すべくスタッフ⼀丸となり頑張ってまいりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
経歴
- 1991年3月 神奈川歯科大学歯学部卒業
- 1991年4月 昭和大学歯学部 歯科矯正学講座 特別研究生
- 1992年4月 昭和大学大学院 歯学研究科 入学
- 1996年3月 昭和大学大学院 歯学研究科 修了
- 1997年4月 昭和大学歯学部 歯科矯正学講座 助手
- 2004年3月 昭和大学歯学部 歯科矯正学講座 講師
- 2007年4月 昭和大学歯学部 歯科矯正学講座 准教授
- 2023年4月 昭和大学歯学部 歯科矯正学講座 教授

昭和大学歯科病院中納 治久
当科の特色
きれいに並んだ白い歯で、
健康と自信に満ちた明るい笑顔を得ること、
それが矯正治療の大きな役割です。

矯正治療は、不自然な位置にある歯やあごの骨を整えて美しい歯並びや正しいかみ合わせや、さらにバランスのとれた口元を作り出すことです。
きれいな歯並びは、むし歯や歯周病の予防につながり、将来にわたってお口の健康維持に貢献します。さらに、よいかみ合わせは消化を助け、からだ全体の健康にもよい結果をもたらします。
当科では、低被爆歯顎顔面用コーンビームCT、筋電図や下顎運動解析などを用いて3次元および機能的な診断・治療計画の立案を行なっています。
検査機器を用いての治療は、それぞれの患者様に、合った治療内容の決定に役立てて おります。
また当科は、昭和大学の医療系総合大学としての立地を活用し、外科的矯正治療など においても、医学部形成外科、歯学部口腔外科などと綿密に連携しています。
とくに、口唇口蓋裂をはじめとする先天性疾患の歯科矯正治療では、昭和大学口蓋裂診療班(SCPT)において、
医・歯学部の多くの診療科が連携した治療を行なっています。
※歯科病院矯正歯科は指定自主支援医療機関(育成医療・更生医療)です。
「当院は保険適用される矯正歯科治療を行うことができる医療機関です」
自由診療における歯科矯正治療は保険適用外ですが、下記の「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療、ならびに顎の外科手術を要する顎変形症の手術前、手術後の矯正歯科治療、および前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするもの)に限り保険診療の対象となります。
これらの保険診療は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関のみになります。
別に厚生労働大臣が定める疾患
- 1. 唇顎口蓋裂
- 2. ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む。)
- 3. 鎖骨頭蓋骨異形成
- 4. トリーチャ・コリンズ症候群
- 5. ピエール・ロバン症候群
- 6. ダウン症候群
- 7. ラッセル・シルバー症候群
- 8. ターナー症候群
- 9. ベックウィズ・ウイーデマン症候群
- 10. 顔面半側萎縮症
- 11. 先天性ミオパチー
- 12. 筋ジストロフィー
- 13. 脊髄性筋委縮症
- 14. 顔面半側肥大症
- 15. エリス・ヴァンクレベルド症候群
- 16. 軟骨形成不全症
- 17. 外胚葉異形成症
- 18. 神経線維腫症
- 19. 基底細胞母斑症候群
- 20. ヌーナン症候群
- 21. マルファン症候群
- 22. プラダー・ウィリー症候群
- 23. 顔面裂(横顔裂、斜顔裂及び正中顔裂を含む。)
- 24. 大理石骨病
- 25. 色素失調症
- 26. 口腔・顔面・指趾症候群
- 27. メビウス症候群
- 28. 歌舞伎症候群
- 29. クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
- 30. ウイリアムズ症候群
- 31. ビンダー症候群
- 32. スティックラー症候群
- 33. 小舌症
- 34. 頭蓋骨癒合症(クルーゾン症候群、尖頭合指症を含む。)
- 35. 骨形成不全症
- 36. フリーマン・シェルドン症候群
- 37. ルビンスタイン・ティビ症候群
- 38. 染色体欠失症候群
- 39. ラーセン症候群
- 40. 濃化異骨症
- 41. 6歯以上の先天性部分(性)無歯症
- 42. CHARGE症候群
- 43. マーシャル症候群
- 44. 成長ホルモン分泌不全性低身長症
- 45. ポリエックス症候群(XXX 症候群、xxxx 症候群及びxxxxx 症候群を含む。)
- 46. リング18 症候群
- 47. リンパ管腫
- 48. 全前脳胞症
- 49. クラインフェルター症候群
- 50. 偽性低アルドステロン症
- 51. ソトス症候群
- 52. グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)
- 53. 線維性骨異形成症
- 54. スタージ・ウェーバ症候群
- 55. ケルビズム
- 56. 偽性副甲状腺機能低下症
- 57. Ekman-Westborg-Julin 症候群
- 58. 常染色体重複症候群
- 59. その他顎・ロ腔の先天異常
顎・口腔の奇形、変形を伴う先天性疾患であり、当該疾患に起因する咬合異常について、歯科矯正の必要性が認められる場合に、その都度所轄の厚生(支)局に内議の上、歯科矯正の対象とすることができる。
【矯正歯科治療における一般的なリスクと副作用】
- 1. 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
- 2. 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 3. 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重 要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 4. 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まります ので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと 隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
- 5. 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がること があります。
- 6. ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- 7. ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 8. 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 9. 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあり ます。
- 10. 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 11. 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
- 12. 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 13. 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する 可能性があります。
- 14. 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 15. 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物) などをやりなおす可能性があります。
- 16. あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 17. 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えてい る骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になる ことがあります。
- 18. 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
-
■診療時間
初診 月~金 9:00~15:00 土 9:00~10:30 再診 月~金 9:00~17:00 土 9:00~13:00 -
■休診日
日曜、祝日
大学創立記念日
11月15日
年末年始
12月29日~1月3日
-
■ご連絡
03-3787-1151
内線:258(矯正歯科外来受付)